絵に描いた餅だけ食べたかったけど今は棚からぼた餅でもいいと思ってる

節度を守らず書きたいことだけ。汚い感情も整理して書いておく自分のためのブログ。

2020年の今、思い起こすとあったかい気持ちになれる小説あげてみた

私は出勤したくない病になる朝が頻繁にあるタイプの社会人なのですが、鞄の中に文庫本が入ってればなんだか強い気持ちになれるタイプのオタクです。

星新一さんとか謎に半年間入ってたりした。読むという行為ではなく、そこにあるということで安心感を与えられるのが本のすごいところだと思っています。

 

加えて、自分が好きな本について考え始めるととたんに脳内ハッピーくそ野郎になれるので最近よくやっています。

 

現実世界の全然関係ない一コマで小説のある一節を思い出してすがすがしい気持ちになったり、急に周囲の環境がありきたりでない、かけがえのない大切なものに思えてくるからとても不思議で、でもこの感覚は一生なくしたくないなと思ったりします。

 

これが世にいう教養とか文化とかだったりするのでしょうか。私はまだまだ若輩者でものの分別がつかないのでよくわかりませんが、とにかく好きなものが物体としてそこにあることは幸せだなあと思うわけです。

 

 

(もちろん電子書籍も大好きですが。漫画と新書はほぼ電子書籍なのでRenta!とKindle大好き人間)

(だけどもたぶん私はハードカバーの単行本大好き人間。装丁とか初版のデザインとかこだわりがある種類の人間だと自覚)

(これ書きながら思ったんですけど、中身は一緒なのに装丁のデザイン昔の方が好きだったとかいうオタク外見主義すぎてめんどくさくないですか?)

(こういう傾向があるからジャニオタやってて「いかんせん顔がいいのだ」とか言ってるんだろうか)

 

そして以下は私が思い出して元気になる小説シリーズ。念のためあらすじも引っ張ってきて置いておこうと思います。

あと、軽率に何の配慮もなくネタバレが出てくるのでご承知おきください。

 

『重力ピエロ』伊坂幸太郎

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

 

 https://www.shinchosha.co.jp/book/125023

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

 新潮社のサイコーにステキ(というか、この会社の人たちは心の底から本が大好きで、本に救われた経験があって、本の力を信じてるんだろうなって想像できるからすごくすき。※あくまで個人的な感覚の話。)なところは、単行本版と文庫版で紹介ページを分けていて、紹介文も異なるところ。

 

私は文庫の重力ピエロが初読だったので文庫版の紹介文を置いておきますね。

兄弟なんだけど遺伝的には完全な兄弟ではないことに深い悲しみを覚えるくらい、家族が大好き(だから本物の家族じゃない※血縁関係がないので。それが生きていけないと思うくらい辛い)って思えるのは

二人とも、英語だとspringだね、と伝える親の優しいまなざしに守られて育ったからかなあ。

「楽しそうに生きてればな、地球の重力なんてなくなる」

ってところも大好きなんですけど、私はお父さんが病床で「俺たちは家族だ」って伝えるシーンが思い出すだけで泣けちゃうほど好きです。

人はなにをもって家族になるのか。血縁関係がなくても、その誕生を喜び、慈しんで共に生きてきた時間があるなら俺と春は家族だよ、と言えるお父さんが本当にかっこいい大人です。

決して折れないしなやかなバネのように、うららかな春のように、すべての根源である泉水のように、今あるものを自分のなかで肯定的に受け止めて、生きていけたらきっといい時間を過ごせるだろうなあ、大人って楽しいかも、年とるの、心配しなくても大丈夫かも、と思わせてくれる小説です。私にとっては。

 

 

 

『きみはポラリス三浦しをん 

きみはポラリス (新潮文庫)

きみはポラリス (新潮文庫)

 

 https://www.shinchosha.co.jp/book/116760/

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。

『格闘するものに○』も大好きなんですけど、三浦しをんさんのセンスが爆発してるのが『きみはポラリス』な気がするので私は三浦さんというとこれかな、と思っています。

もちろん『あの家に暮らす四人の女』も『愛なき世界』も好きです。書きながら思いましたが私、ここ3年中央公論新社の本を買うことが増えました。年齢や嗜好が御社のターゲット層に寄ってきたのかな。

 

螺旋プロジェクト(毎月イケてる作家さんが同じ設定(※古来から日本の歴史は山族と海族の対立によって成った、というもの)で単行本を刊行していく神企画。小説雑誌BOCがきっかけです)も大好きだった。

https://www.chuko.co.jp/boc/spiral.html

 

話が逸れましたが、何にせよ三浦しをんさんステキすぎません?

私は将来こんな大人になりたい、こんな暮らしをしていたいなあと思ったりします。江國さんは切なすぎて苦しいし、小川さんはあったかすぎて、川上弘美さんはスタイリッシュすぎるので・・・小説で読むからいいんだよなあ、と思ったりして、私は今のところ、あの家で暮らす四人の隣人のような生活をしてみたい。

 

(実際は、江國さん「そういえば結婚したんですよ」とか編集さんにお話されたりする方みたいだし、原稿用紙に手書きされると書いてあったので、私にとっては違う世界に住んでる神さまみたいな存在です)

(どうでもいいですが、私は小説だけでなく、こぼれ話みたいにふっと作家さんの日常がお知らせされるあとがきや、解説や、小説雑誌が大好きです。小説雑誌は断然yomyom。デザインも本当にかわいいので一回サイト行ってみてほしいし買ってみてほしい。電子なのでぜひ。)

https://www.shinchosha.co.jp/yomyom/

 

いつまでも話が逸れる。あの、『きみはポラリス』のすばらしさはタイトルに凝縮されてると思うのです。三浦さんのタイトルセンス本当にすごい。見上げればいつもそこにある、でも届かない。まばゆい光で無視できない。いつのまにか人生の指針になってたりする。そんないろんな思いが込められてきみはポラリスなんだなあと読んだあとに思います。

どの短編も大体静かで、自分たちしかいない時間を過ごしていて、だからそれが終わったあとの人生でも「かけがえのなかった瞬間」として思い出されるんだろうな、と思ったりするので、特に死体を一緒に埋める話がとても好きです私。

 

 

『図南の翼』小野不由美 

図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)
 

 https://www.shinchosha.co.jp/book/124059/

国を統(す)べるのは、あたししかいない! 恭国(きょうこく)は先王が斃(たお)れて27年、王不在のまま治安は乱れ、妖魔まで徘徊(はいかい)していた。首都連檣(れんしょう)に住む少女珠晶(しゅしょう)は豪商の父のもと、なに不自由ない暮らしを与えられ、闊達な娘に育つ。だが、混迷深まる国を憂える珠晶はついに決断する。「大人が行かないのなら、あたしが蓬山(ほうざん)を目指す」と――12歳の少女は、神獣麒麟により王として選ばれるのか。

十二国記シリーズの中で私が一番好きな話です。国が乱れて皆困ってて、でも昇山はしない(誰かふさわしい英雄が行くだろうと皆が思ってる)雰囲気に一石を投じる珠晶がサイコーにかっこいい。

 

この世界では、麒麟という生き物がいて、王は麒麟が選ぶんです。麒麟に選ばれた王が治める国は栄える。でも道に背くような治世を敷いた暁には麒麟が穢れ国は衰えていく。天意も離れ、麒麟は死にます。

種族や経済格差による差別、利権、中央政府地方自治の兼ね合い、他国との外交…シリーズ自体は頭を使うことも多い(1巻はなんとか苦しいかもしれないけど慶国が新しくスタートを切る瞬間まで読んでほしい)ですが、図南の翼はひたすらワクワク楽しいです。

十二国記公式サイト

https://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/

 

珠晶がとにかく思い立ったら行動する、間違ったら謝る、どんな意見でも受け入れる、リーダーとして最高にかっこいい(怖すぎて周りが委縮することもあるけど)から読んで元気でます。

この国のことを本当に思うなら、自分にどんなに王になる可能性がないと思っても、昇山するべきでしょう、それが国民の義務では?少なくとも私は行ってから「私は行ったけど選ばれなかった、王になる以外の方法で国をよくするために頑張る」って言うわ。っていう姿勢と、昇山中に妖魔に襲われたとき、世間知らずな自分を恥じてすぐに行動を改めて教えを乞うところが特に好きです。

最初から最後まで疾走感が途切れない、本当に楽しい冒険小説。

 

※シリーズ最新刊の『白銀の墟 玄の月』は泰麒に村人が「お待ち申し上げておりました」って頭を垂れるシーンで号泣必至ですよね。

 

あと初版は講談社ホワイトハート文庫なんですけど、講談社文庫になったときにイラスト表紙じゃなくなったんですよ。でも新潮文庫で完全版刊行するタイミングでイラスト表紙に戻って、かつ背に文様入れられたの本当にすき。(今日は新潮社の回し者な気持ちかもしれない)

 

落下する夕方江國香織 

落下する夕方 (角川文庫)

落下する夕方 (角川文庫)

 

別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。梨果にとって、いとおしいのは健悟なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。

江國さんの本って装丁美しいですよね。これも文庫なのに金で箔押しされてた気がするんだけどどうだったかな。記憶違いな気がする。

私はこの三角関係に折り合いがつけられないのでこの本は読んだあと実家のリビングにずっと置いてた(自分の部屋にはもっていかなかった)思い出があります。

ちょうど無職の父がキャバ嬢と正月に失踪(実際は旅行だったらしい。三が日終わって帰ってきた。うける)した時期に読んだので、苦い思い出と、苦くても絶対に忘れてやらないという憎しみのようなものと、仕方のない人なのだというあきらめに似た気持ちと一緒にしまってある本です。

 

きらきらひかる』の方が、装丁は好きじゃないんですけど中身は好きかもしれない。

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが……。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは? 傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。

うーん。これはもっと自分の現実から遠い気がする(こんなに人と深い関係を結べないな、私は。と思っている)から楽しく読めるのかなあ。

 

感傷に浸りながら『神様のボート』も読んでたと思う。

昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。

そんな感じで江國さんは私をしんどいなあと思う現実からフィクションにさらってくれた作家さんだから心の奥のふだん触らないところにずっといる人、なイメージです。

とってもありがとうの気持ち。と、本に逃げること、本で旅ができることを12歳になる前の私に植え付けてくれてた我が家の教育に感謝、という気持ち。

 

チョコレート・アンダーグラウンド』アレックス シアラー 

チョコレート・アンダーグラウンド

チョコレート・アンダーグラウンド

 

「健全健康党」がなんと<チョコレート禁止法>を発令した!
そんなおかしな法律に疑問を抱いた、チョコレート大好き少年のハントリーとスマッジャーは、チョコレートを密造した。
しかし、健全健康党の「少年団」に密告され、スマッジャーは捕まってしまう。やがて再教育されたスマッジャーが戻ってきた。
彼は変わってしまった。闘志も革命心も感じられない。スマッジャーは洗脳されてしまったのだろうか…。

これはチョコレートの話でありますが、「これがないと健康で文化的な最低限度の生活を営めない」と思えるものを政府によって禁止された市民の戦いの物語でもあると感じます。

私はレジスタンスものが好きなので単純に命の危険を省みず「好きなものがないなんて死んでるのと同じだ」という勢いで駆けていくハントリーを思い出すと生きる勇気が湧いてきます。普通にめちゃくちゃかっこいいし、あの頃よりすこし大人になった今は、次の世代が生きやすい世の中にするために働いていきたいなあとすこし労働に前向きになれます。

 

悪が栄えるためには、善人が何もしないでいてくれればそれだけでいい

 

この物語では「どうせどっちに入れても変わらないでしょ」と思った大人たちの投票率が下がり、結果的に与党になったのがチョコレート禁止法をつくった政党なんです。

面白い小説だなあと思います。

 

虐殺器官伊藤計劃 

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:伊藤計劃
  • 発売日: 2014/08/08
  • メディア: 文庫
 

もう~~~~黒地に銀文字のカバーデザインがものすごく好きなので早川書房は復刻カバー出してほしい~~~。そうしたら買い足したいと思ってるので!そろそろ黄ばんできたからもう一冊買おうと思って紀伊国屋行く度にこのカバーしかなくて泣いてた~~~。

9・11以降の"テロとの戦い"は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、
後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、
その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、
ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……

彼の目的とはいったいなにか? 
大量殺戮を引き起こす"虐殺の器官"とは? 
現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション 

漫画『マージナル・オペレーション』好きな人は絶対好きな気がするというかもう読んでると思うのですが。

私はこの本が面白かったので大学で紛争解決とそれに伴う現地統治についての授業を取りました。

あとこのまえ家にいるとき、外は本当にさわやかな風が吹いているほがらかな陽気だったので虐殺器官の最後のシーンを思い出しました。

テレビで戦争のライブ中継を見ながら、宅配したバーガーをクーラーの効いた部屋で食べる。そして世界の終末を思うシーン。

ちょっと憂鬱な気分になってた(『何もかも憂鬱な夜に』ほどではない)のですが、主人公とちょっと状況似てるかも、と思うと明るい気持ちになれたから、物語の力は偉大だなと思ったりします。

 

 

『これはペンです』円城塔

これはペンです (新潮文庫)

これはペンです (新潮文庫)

  • 作者:円城 塔
  • 発売日: 2014/02/28
  • メディア: 文庫
 

 これも違うの~~~~。単行本だった頃の自動翻訳機が表紙の白地のカバーがよかったの~~~~という厄介オタクの気持ち。

叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた──。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。

円城さんは実験的な手法で日本語の楽しさを気づかせてくれるから本当に好き。『後藤さんのこと』とか装丁もめちゃくちゃばちくそにかっこいいから買ってほしい。

私はちょうど3.11のころ円城さんを読んでたので、あとSFマガジンも読んでたので、円城さんは時代に即した、でもご自身の信念に沿ったお話を書く人、というイメージが強いです。

ポスト〇〇とか、〇〇年代以降とか、時代の境目にいる人で、時代の先端をいく人、という印象です。これは私が勝手に持ってるイメージの話なのですが。

だからちょっと新しい価値観を取り入れたいとか、頭を柔らかくしたいとか思うときは円城さんを読むんだと思います。

 

粋でかっこよくて必要とされたら務めを全うする、批判を恐れず自分を歩める作家さんだと思うので。

 

(『屍者の帝国』は本当に、刊行される世界にいられて幸せだと思った記憶)

 

 

『凍りのくじら』辻村深月

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

  • 作者:辻村 深月
  • 発売日: 2008/11/14
  • メディア: 文庫
 

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。

20代前半まで、いや違うか、たぶん去年までの私は凍りのくじらのスモールライトのシーンを思い返す度に力をもらっていました。

なんというか、辻村さんの描く女性主人公は良い具合に自意識過剰でどこにでもいそうな感じがとてもリアルで、だからその子たちが救われると自分もカタルシスを味わえるので、好きですし、単純にモチーフが好き。

これから死んでいく、薄暗い海に人知れず沈んでいく氷の下のくじらってとても幻想的で荘厳で美しいと思います。

今初めて気づいたのですが私以前ほど、この子に共感できなくなってます。

なぜだ?あんなに好きだったのに。自分ではどうにもできない事実に傷ついて、孤独を感じてでも他者を信じて飛び込んでいける強さを持ってる主人公が好きだったのになあ。

たぶんなんですけど、嫉妬です。私はこの子より10歳近く年上になったけど、こんなに必死に人と繋がろうと手を伸ばしたことはないし、……ていうかいいな!?この物語みたいに私にもスモールライト当ててくれよ!!!

 

(※たぶん少し疲れています。アフターコロナとか考える前に現状に疲れています)

(辻村さんご結婚の報を聞いたとき本当におめでたいと思ったこと、今後の作品が楽しみだと思ったこと、『かがみの孤城』を4冊持っていることは本当です)

(しばらく主人公が20代前半までの恋愛ものは読まないようにしようと思います…)

 

 

蹴りたい背中綿矢りさ 

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)

  • 作者:綿矢 りさ
  • 発売日: 2007/04/05
  • メディア: ペーパーバック
 

高校に入ったばかりの“にな川”と“ハツ”はクラスの余り者同士。臆病ゆえに孤独な2人の関係のゆくえは……。世代を超えて多くの読者の共感をよんだ第130回芥川賞受賞作。 

冒頭からもう天才。場面展開から「鳴る」という表現、切り取り方が全部スタイリッシュで、内容とかじゃなく文章摂取するだけで元気が出てくる部類のアドレナリン小説。

 

最後、ベランダでにな川(この「蜷川」じゃない表記も好き。ハツの語彙に「蜷」は入ってないから「にな川」なの)の背中を足の親指で押してみる描写が本当に好き。

インストールの青空にはためくオレンジのパンツもすがすがしいの極みだったけど、この人は意図的に清涼感を出したり、とにかく読者の気持ちをコントロールできる文章が書ける天才だと思う。そして絶望ではなく爽快感やちょっと笑えて来ちゃうブラックな気持ちで終わらせてくれるから綿矢りさ一生ついていくって思ってます。

 

綿矢さんもご結婚されたとき私は本当におめでたいと思いました。

そして綿矢さんの場合は結婚しても作風が変わらなかったことにものすごく安心感を抱いてほんと一生ついていく、と思いました。

 

短い、誰にでもわかる文章でえぐるのがものすごく上手でしびれる作家さん。

別の作品ですけど、

「亜美ちゃんは美人」の冒頭

さかきちゃんは美人。でも亜美ちゃんはもっと美人。

サイコーすぎんか?たった2文ですべてを語れるの天才すぎるし、この人の世界の捉え方は本当にえぐいけど優しいと思う。(捉えたものを切り捨てたりしないから)

一番の美人は名前にちゃん付け、で、「さかきちゃん」は名字にちゃん付けなの。この呼称もってきてるところも天才。

それで亜美ちゃんはいわゆるダメンズにばっかりひっかかるんだけど幸せってなんなんだろう、愛されるって、愛するって何なんだろう、って思考と「かわいそうだね?」って言葉が頭をぐるぐる回るめちゃくちゃステキな作品。

 

私は綿矢りささんより少し年下な状態で生きていられることをこの上ない幸せだと思っています。綿矢さんは「私たち」のために書いてくれてるって思えるからです。

こんなん書いたらご本人とその周辺には『勝手にふるえてろ』って思われそうだけど。

なんだか不思議と、綿矢さんの本は読むと元気が出てくるし疲れないのでやっぱり綿矢さん大好き、と思うわけです。

 

蹴りたい背中』で実際に蹴った(触れた)のはにな川くんの背中ですけど、ハツはきっとうだつの上がらない、リアルな世界に飛び込んでいく気概のない自分を蹴っ飛ばしてやりたいくらいの気持ちでもがいていて、自分を蹴りたいけどそんなこと構造的に難しいのわかってて、だから目の前にあるその背中を疑似的に蹴って紛らわそうとしてる、それさえも「ハッていうこのスタンス」って笑い飛ばしそうになっちゃう自分もいて、っていう自意識の乱れ、葛藤のただなかにいるのだというのがぎゅっと凝縮された文に詰まってる感じがして大好きです。

 

『袋小路の男』絲山秋子

袋小路の男 (講談社文庫)

袋小路の男 (講談社文庫)

  • 作者:絲山 秋子
  • 発売日: 2007/11/15
  • メディア: 文庫
 

高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の他、「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」を収録。 

 これはサイコーが過ぎる話だし短いし薄いので皆に読んでほしいやつ。

絲山さんはこれ以外はなんか読むと悲しい気持ちになるんだけど(終わりを意識させる恋とか関係が多いからかなあ)、恋愛ものでもこれは別格にかっこいい。

表題作「袋小路の男」は二人称(わたしとあなたしか登場しない)の小説で、こういうのを珠玉の文章というのだろうか、と高校生の私が感動した話。

 

私達は指一本触れたことがない。厳密にいえば、割勘のお釣りのやりとりで中指が触れてしびれたことがあるくらい。手のなかに転がり込んできた十円玉の温度で、あなたの手が暖かいことを知った。

 

手のなかに~の後がもう最高すぎませんか。1円とかじゃなく、10円玉(だって銅製だから)なの。指が触れるとしびれるらしいということも、私は小説から教わりました。

で、こんだけ美しい恋愛を描いたあとに「小田切孝の言い分」(三人称で「袋小路の男」を描いたもの)を持ってくるのが本当に天才。

恋愛は双方向のもので、そして多少痛いらしいということも私は小説から教わりました。それから、人と人との関係が10年以上続くものなら、それは何であれあったかい気持ちを介していると信じてもいいのかな、ということも小説は教えてくれました。

最後に「アーリオ・オーリオ」持ってくるのも本当に憎い演出、大好き。

誰かを大切に想う気持ちは尊いもので、そしてそれは絶対相手に伝えた方がいい、と教えてくれたのもこの小説。

こんなに短くて、ワンコインで買えるのに、ものすごい世界の真理みたいなことを教えてくれて、小説って本当に最高と思った記憶。

 

『まにまに』西加奈子

まにまに (角川文庫)

まにまに (角川文庫)

  • 作者:西 加奈子
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 文庫
 

 西加奈子さんのエッセイ集~~~。私は去年、中村文則さんと木皿泉さんと西加奈子さんのエッセイを買ったのですが、どれも最高、元気でる。日本語が読めて幸せ、サンキュー人生って気持ちになれる。

 

西さんはお話されると関西弁なので私はデビュー当時こわい関西のお姉ちゃんだなと思ってた(『あおい』と雰囲気につかないんだけど??と不思議に思ってた)のですが、

あれから10年以上、20年近く?経った今は言葉の違いは怖くないし、言葉の奥に優しい気持ちがあるって気づけるようになった

 

(実生活で嫌でも人と関わらなきゃいけない仕事に就いた成果である。学生時代の私が今の私を見たらびっくりすると思う。今の自分も、過去の自分も嫌いじゃないし、未来の自分もとっても楽しみ、と思えるようになったから、とても今生きやすいです)

 

ので、『あおい』は紛れもなく西加奈子さんから生まれた作品(西さんの言葉と地続きの作品)だと思えるようになりました。

西さんにも憧れる、西さんがいる世界に産んでくれてサンキューって親に思う。

 

『春風伝』葉室鱗

春風伝 (新潮文庫)

春風伝 (新潮文庫)

  • 作者:葉室 麟
  • 発売日: 2015/09/27
  • メディア: 文庫
 

長州藩士・高杉晋作。本名・春風。攘夷か開国か。国論二分する幕末に、上海に渡った晋作は、欧米列強に蹂躙される民衆の姿を目の当りにし、「革命」に思い至る。激しい気性ゆえに脱藩、蟄居、閉門を繰返しながらも常に最前線で藩の窮地を救ってきた男は、日本の未来を見据え遂に幕府に挑む。己を信じ激動の時代を駆け抜けた二十八年の濃密な生涯を壮大なスケールで描く本格歴史小説

 私は単行本のレザックっぽい地に薄めに印刷された表紙デザインが好きでしたーーーーこんな青空じゃない~~~私が読みながら思い浮かべてたのは曇天~~~~~解釈違い~~~~~ってなるけどそれもこの本が好きゆえなので許してほしい。そしてこれは本当に高くても単行本で持ってた方がいい本だと思うよ、だから次の引っ越しでも捨てないように、と未来の自分に向けて。

 

高杉晋作の創作小説なので、本筋とはまったく関係ないのですが私がものすごく好きなのは、病床の高杉が現地妻と庭の桜を見ながら話すシーンです。

桜がきれいだね、という話をしつつ「晋作さまは桜が好きですか」というような問いかけを妾がして高杉は「好きだ。桜はあなたに似ている」という感じで答えるのですが、彼女は胸中で「彼が一等好きなのは梅の花じゃ」と考えて、梅の花と本妻の雅(萩から出てこられないから、病床の高杉を見舞えない)を重ね合わせて、自分はこの人の心の一番にはなれないけど、近くにいることはできる、と条件つきの幸せをかみしめるのです。そのうえで、そんな複雑な気持ちなんて押し殺して、高杉が一番好きなのは梅の花って知ってることも飲み込んで「ありがとうございます」と嬉しそうな表情作るんです。

 

なんでこれを読者が気づけるかっていうと、小説の冒頭で高杉が「梅の花のように、春の訪れを告げて疾風怒濤のごとく去る、そんな人になりたい」と話す場面が出てくるからです。

 

読者皆、高杉が梅の花大好きなこと知っていて、でも作中世界では高杉の行動や思想にこそ注目は集まりますが彼の嗜好にまで興味がある人は限られるから、それを知ってる人は少ない。

 

彼女はその嗜好を伺い知るくらい高杉の近くにいながら、だからこそ一番の座に踏み込めないことを誰より理解しているのです。

 

っていう枠組みをたった数文で成立させてしまう葉室さんがすごい。

し、地方から歴史を紡ぎたいって確固たる意志で執筆をつづけた葉室さんを本当にかっこいい大人だと思う。

今床に本を積んでしまってて春風伝が取れないのでものすごくふがいないのですが簡単に説明をして自己満足してみました。

 

 

『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウ

死にがいを求めて生きているの

死にがいを求めて生きているの

 

植物状態のまま眠る青年と見守る友人。美しい繋がりに見える二人の〝歪な真実〟とは? 平坦で争いのない「平成」の日常を、朝井リョウが現代の闇と祈りを込めて描く傑作長篇。

この世代の雰囲気を切り取ってえぐって文章にすることを使命にしてるのかってくらい仕事人のイメージが強い作家さん。

というか私は朝井さんのご結婚の報が一番驚きました。

朝井さんも声優の斉藤さんも友人ふたり介せばたどり着くような世代で環境で育ってきたので個人的にめちゃくちゃ焦った。え、朝井さん結婚すんの?みたいな。

そう思う(置いていかれるとか、マウント取り合うとか)傾向それ自体が朝井さん世代というか、この世代特有のものなのかもしれないなと思ったりするのですが。

 

あんまり朝井さん作品を読んでこなかったのですが以前yomyomで掲載された「それでは二人組をつくってください」の短編(『何者』のスピンオフらしい)が本当にすごくて、この人の作品読まず嫌いしないで読もうと思った。

だって「孤独」を描くとき「ふたり」から始める考え方がスマートすぎませんか?

 

そこらへんただよってる空気を言葉にして、皆が目を背けてる「排除」とか「ボーダー」とか「分断」とかを差し出すのが上手。そしてそれを道具に対立をあおる、まではしないから良い人だと思う。

 

そんな感じで『どうしても生きてる』もいい。この人は機械的な女性を描写していく人、というイメージが私のなかである(あくまで自分の感覚なのだけど思考や文がリアルじゃないと思う。行動の部分は限りなくリアルだからギャップがすごい)のでその分、主人公たちに引っ張られることなく安心して読めます。

この行動わかるけど、こうはなりたくない、なってたらやだなあと思うから、よりよく生きねば、と思わせてくれる。明日からもちゃんと生きよう。

 

 

 

メサイア 警備局特別公安五係』高殿円 

メサイア 警備局特別公安五係 (講談社文庫)

メサイア 警備局特別公安五係 (講談社文庫)

  • 作者:高殿 円
  • 発売日: 2016/05/13
  • メディア: 文庫
 

散れ、サクラのごとく。--それがこの国のスパイの流儀。
「戸籍も失い、過去も失った俺の唯一の光。それはお前なんだよ、珀」。

世界から軍隊が消えた時代。しかし戦争は諜報戦への姿を変えていた。家族を惨殺され一人生き残った海棠鋭利、兄と生き別れた御津見珀は、戸籍を剥奪されたスパイ集団、警備局特別公安五係、通称「サクラ」にスカウトされる。桜のように潔く散る、それが彼等の流儀。舞台・映画化の人気シリーズ原作。 

私はジャニーズのシンメとかいうシステムが大好きオタクなので高殿さんのメサイアはこんなに面白い小説があっていいのか、と歓喜の雄たけびをあげて読みました。

これは読むとテンションぶちあがるから休日の午前におすすめ。

もしくは夕方6時ごろにおすすめ。

ただでさえ特殊部隊大好きなのに(福田和代さんの『広域警察 極秘捜査班 BUG』が!ついに新潮文庫Nexで刊行されたことが嬉しすぎて去年本屋で3冊買いました。これは単行本じゃなくてNexだろう!?ってyomyomのときから楽しみにしてた!!)、メサイアは窮地に陥ったとき、相棒だけが助けに行っていいとかいう制約つけるから本当にたまらん。

これはオタクの血が大いに騒ぐ本です。ミュもやってるけど私は小説がとても好き。

 

こんな感じで好きな本のこと思い出すとものすごく元気になれるから私は能天気野郎で幸せ者だなあと思います。

 

あと最近はよく新約聖書のタラントンのたとえとか種を蒔く人のたとえとか思い出したりします。イエスさま「はっきり言っておく」っていいがち。

ファンタジー小説読んだり、海外の小説読むときに宗教の知識(キリスト教だけでなく)はあるとちょっとお得な気分になるからすき。

 

世界から猫が消えたならって本あるけど、私は今日も本があること、それを読めること、頭の中に本の森が広がっていること、人生の大事な局面でいろんな先輩たち(本の登場人物や作家さん)の言葉が選択肢を広げてくれることに幸せを感じています。

 

ぜったい未来は楽しいよ!と信じて今日も中村文則さんの『逃亡者』を読みまーす!

今期プリキュアが本当にサイコーだから1回見てほしい

ニチアサのニの字も知らなかったジャニオタのTLにまで、2018年辺りからプリキュアが流れてくるようになりました。

 

「男の子だってプリキュアになれる!」とか(よくよく話を聞いてみたらこれは男の子だって、という部分ではなく「誰だって」「想いがあれば」プリキュアになれるという文脈で語られた方が適切なものだったのかもしれない。けど、当時は流れてきたキャッチフレーズがものすごく魅力的だった)流れてきて「お?楽しそうだな」と思ってました。

 

そんなふうに、すぐそこまで「プリキュアを見たら人生楽しくなる」の沼が迫ってるのは自覚してたのですが、結局ハグっと!もスタートゥインクルも通らずに2020年を迎えてしまった私です。なぜなら年齢的にもうアラサーだし、新しいものを追っかける体力もなくなってきたし・・・と色々言い訳してたからです。

 

この2年もったいなかったなあと思ったりもしますが、精神的に安定した(自担がユニット安定しておそらくアイドルそうそう辞めないだろうと自分の中で安心できたことがきっかけ、とかアラサー社会人として本当に恥ずかしい)――ともかくそんなコンディション整った今だからこそ満を持してプリキュアを見れたんだと思っています。

 

何回も聞いたことあるかもしれないけど、あの、本当にプリキュアはいいぞ。

 

かっこいいが過ぎておさまらなくなったので、今日はその気持ちを記録しておきたいと思います。

 

私がプリキュア(といっても、私は今回の「ヒーリングっど❤プリキュア」しか知らないので、以下プリキュアもしくはヒーリングっど❤と呼びます)を好きだなあと思った理由は大きく分けて3つあります。

 

①ストーリーがサイコー

 

②ワードチョイスがたまらん

 

③今回の対応が一貫して視聴者(こども)のため

 

 

1つずつ自分なりに書いておこうと思います。

 

①簡単にあらすじを。

主人公はのどかちゃん(中2)*1という女の子です。

公式サイトから引用してこよう。

 

 

地球を癒やし“お手当て”してきた
秘密の世界【ヒーリングガーデン】が、
地球をむしばみ 病気にしようとする
【ビョーゲンズ】の襲撃にあって
危機に陥ったため、地球が大ピンチに!

このピンチを救うため、
逃げのびた3人の“地球のお医者さん見習い”である
ヒーリングアニマルたちが、
“ヒーリングガーデンの王女”で
【特別なちから】を持ったラテとともに、
パートナーを探しにやって来た!

3人の普通の女の子が彼らと出会うことで
プリキュアに変身し、ビョーゲンズに立ち向かう!

ビョーゲンズの攻撃を察知して
元気をなくしてしまうラテや、
大切な地球、そしてここに生きる
全ての生命を守りたい気持ちを胸に
プリキュアたちは今、地球のお手当てのために力を合わせる!

さあ、スタート!プリキュアオペレーション!

 

というのがあらすじなのですが、いやあかっこいい。

簡単にいうと、毎回地球が何かの病原菌に侵されて、それを察知したプリキュアがパートナーと協力して地球をお手当てするお話です。

 

私がこのお話を毎回追いかけようと思ったのはなぜかというと、主人公の「助けたい」理由が明確で、何度も繰り返し、こどもたちに伝えたいことを入れてくるメッセージ性の強いアニメだったからです。(ニチアサって本当に教育というか洗脳ですね、すごい)

 

のどかちゃんはつい最近まで病気がちでずっと入退院を繰り返していた子です。病気が治って、初めてまともに学校に通えます(そんな設定の子を、関東近郊の適度な町の、よりによって中2に*2転校させる脚本本当に作りこまれてる感がすごくて好きです)

なので初めての友だち、初めての部活動、なんでもやってみたくて興味津々なのですが、身体の動かし方から修得していく段階なのでなにやってもあんまりうまくいかないんです。

そんなときにビョーゲンズがやってきてメガビョーゲンが出現する場面に居合わせます。

 

あまり対人コミュニケーション経験を積んできてない、人が違えば劣等感にさいなまれて無気力状態に陥ってもおかしくない状況ののどかちゃんが、ここで何をしたかというと、

 

「(私も病院でそうして助けてもらったから)苦しんでいる人がいるなら助けたい」「その方法があるなら、(今度は)私が助けたい」

 

と、パートナーの協力のもと、プリキュアに変身してビョーゲンズを撃退するんです。

 

プリキュアに変身したのどかちゃんが「私、こんなに自由に身体動かせたの初めて」的なセリフをものすごく楽しそうに言うんです。

 

それから、地球さんが元通りになったあと、

患者さん(地球のさまざまなエレメントさん)から「もうすっかり元気です。ありがとう」と言われて嬉しそうに、でもすこし恥ずかしそうに微笑むんですのどかちゃん。

 

これパーフェクトだろう??すごくないかこの整合性のとれた脚本。どういうこと??

 

想いがあれば誰だってプリキュアになれるという大前提のもと、1話24分でこの子がプリキュアになりたい、この子にしかない誰かを守りたいと思う理由を視聴者にわからせてしまった脚本が優勝すぎる。

 

それで、2話かな?3話かな?パートナーがのどかちゃんの病弱な身体を心配して、危険なプリキュアの役目なんてこの子に負わせられないってプリキュアのパートナー解消を申し出るんですけど、のどかちゃん、「これが今私の一番やりたいことだから、頑張りたいの」って言うんです。

 

健気すぎんか??優勝。涙でる・・・。

 

一人ではプリキュアになれない、一人ではできないことでも、皆で協力したらきっとできる、想いは届く―――毎回毎回、繰り返しこんな要素が出てくる、しかも嫌味なく出てくるのが本当にすごいです。こんなに手の込んだ良質な道徳アニメを摂取できるこどもたちは幸せだろう、というかおジャ魔女見れた当時の私は幸せだったんだなあと振り返ってしみじみします。

 

 

何より、回をおうごとに脚本がすごみを増しているのですが、患者さん側もあきらめないで、という描写が登場するんです。もうお願いだから11話を見てほしい。

 

②なによりまず、ワードチョイスがサイコーすぎるだろう

 

ヒーリングっど❤プリキュアって

すごくないですか?キャッチコピーは「手と手でキュン!ハートつないで地球をお手当て!」で本当に言葉選びのセンスが爆発している。

 

敵はビョーゲンズで、「グアイワル、ダルイゼン、シンドイーネ、バテテモーダ」

ビョーゲンズが手を触れるとお花のエレメンツさんがナノビョーゲンに侵されてメガビョーゲンになって地球をむしばんでしまう

プリキュアがお手当てしたら、決め台詞は「お大事に」

そしてメガビョーゲンは「ヒーリングッバイ」って言って消滅する

 

まじで日本語を母語として育ってきてよかった、この面白さがネイティブで理解できる幸せをかみしめています。製作陣天才か??

 

③今日、公式から「新作アニメの放送延期」発表がありました

ここに至るまでの対応も、発表の仕方も、今後の方針もすべて一貫していて本当にかっこいい。

 

テーマがテーマなので情勢も相まって大丈夫かな、と思ってたのですが、

このテーマを掲げるにふさわしい対応を公式がしているのがめちゃくちゃかっこいいです大人として。

 

通常放送だったこの前の放送でも終わりにはこどもに向けたてあらいうがいの励行アナウンスが入ってました。

今回の発表もHPの文章はこども向けです。

 

それから、今週からは選抜して今までの放送回が再放送されるとのことですが、これも楽しみにしているこどもたちを見捨てない選択で本当にかっこいい

 

大手だからこそ業界全体を見渡して行うべき処置をとり、でもプリキュアの存在意義も崩さない、ぎりぎりのバランスを保っての発表、運営方針を出してそれに従って動ける組織体制がかっこいいです。

 

再開を心から待っています。

私がメインターゲット層から外れていて、かつ目の付け所もずれてることは承知してますが本当にプリキュアってすごいんだ、と思ったし、仕事のやり方として目的を見失わないのはかっこいいが過ぎると思うので、頑張って、頑張りましょう、1月からありがとう、これからもよろしくお願いします。

 

といういろんな気持ちを込めて。

そして誰かプリキュア語りましょうの気持ちを込めて、記録しておきます。

 

おわり。

*1:プリキュア中2なの!?意外と年齢上なのね、とびっくりした

*2:皆初対面ドキドキ、な中1ではなく、中2に

‪野ブタ。のいじめシーンが結構きつかった

先週の土曜日、ドラマ「野ブタ。をプロデュース」を観ました。ものすごく久しぶりに。

 

そうしたら自分の中でまあまあな印象操作が行われていたことに気づきまして、愕然としました。ちょっと、このいじめ描写えぐくない???

私は木皿&河野トリオ作品信者なのでこんなセンセーショナルなシーン入れてくる人たちだっけ、とものすごく驚いてしまいました。私の中でのお三方のイメージはドラマ「Q10」の「愛も勇気も平和も、この地球上にあると思えばきっとあるのよ」というやさしいまなざしそのもの、だったので。

 

 

こういったツイートをしていましたし、この気持ちもウソじゃないんですけど、でもやっぱりあの暴力描写はしんどかったです。

 

転校生の、机を払うしぐさをきっかけに、無視、暴言、お弁当がっしゃん、トイレで水かけ、人としての尊厳を無視している。ひどいです。

 

でも、目に見える物理的な被害がある分、わかりやすいですね、と一歩引いた目線で見てしまったのも事実です。というのも、野ブタ。から10年以上経っても学校現場からいじめという名の暴力はなくならず、手段も多岐に渡ると窺い知れるからです。

 

昨年は仕事柄、限定的ではありますが学校関係の方と、あるいは現役の学生さんと話をする機会が複数回ありました。

 

個人的に私が驚いたポイントを挙げますね。

 

・もう「LINE交換しよう?」ではないらしい。「insta交換しよう?」らしい

・位置情報共有アプリで友だちがどこにいるのか(それこそ自宅か、学校近くの駅に向かっているところか)いつでもすぐにわかるらしい。

・学校では4人でいるけど、放課後わざわざ3人で出かけてstoryあげて私の時代でいうところの「ズッ友だょ」的なやつやるらしい

 

何が言いたいかというと、今いじめが起こるのであればそれはきっと、学校という場所で起こる物理的被害を伴う何かではなく(その場合ももちろんあるでしょうが)、目に見えない、本人以外気づきにくい分孤独を余計に感じやすい、出口のない、行き場のない、自分でもきっとうまく説明ができない、しんどい、そういう形の伴わない何かなんだろうな、と思ったわけです。

 

位置情報共有とかほんとしんどい、それだけでしんどい神経を疑うわ、と私は思ってしまいますが、彼らはそれが普通で当たり前なのです。その当たり前の枠組みの中でなんとか生きていく方法を探っている彼らをサポートする学校の先生たちを心底、尊敬しています。

いじめが起きているとわかって、仮にそれがネット上でのことだった場合、学校としては犯人探し(匿名アカウント情報の開示)などはできません。範疇を越えているからです。学校をきっかけとしたコミュニティで起こっていることなのに、自分の生徒を守り切れないと歯がゆい思いをしている先生の話も聞きました。きっと連携システムはあるけれど、それを運用する余力が現場にもないのだと想像しています。本当に、本当にあまりご自身を責めないで、と思いました。

いいかわるいかではなく、事実としてそこにあるのは、傷ついた生徒がいること、だから何が起こったか、というよりまずはその気持ちに理解を示す、寄り添っていきたいというステキな先生の気持ちが生徒さんにも伝わるといいですね、きっと伝わっていると思いますよ、と完全に部外者な私は当時思ったわけですが。

 

10代の皆さんの話も聞いていくうちに、なんだか仲間うちルールがそこかしこにあるんだなあ、私の頃よりそれが顕著だ、と感じたりもしました。

これはムラ社会化している、良い面もあるだろうけど、だからしんどい、という子もいるだろうなあ、と感じました。見えない生きづらさを抱えて生活している誰かが、ほっと一息つける場所が物的にも、精神的にもあればいいなあと思いました。

家、学校以外で。だって家が安全かどうかなんて、当人たちにしかわからないですもんね。

 

私にとっての3番目の場所はたぶん、高校時代はアルバイト先や学校ちかくの喫茶店でした。なんとなくで学校に行けなかった勢でしたが今振り返ると劣等感で押しつぶされ、現実とうまく向き合えずに、なんとなくほっといてくれる場所がほしかったんだろうなと思います。

 

堀北真希演じる主人公も、修二も彰も、3番目の居場所で力を蓄えて、不合理な現実に向かっていくから本当に強くて、最終的には元気の出る素晴らしいドラマなんです、野ブタ

 

なにが言いたいかというと、先週の放送でうわ~と思っても、ちょっと思い出してみてもらえませんか、ということ。

 

私は柳の木と自分を重ね合わせて「置かれた場所で生きていこう」とする野ブタ。のシーンも、「さっきいじめっ子をいなくなれと願ったのはうそです、さっきの願いごとを取り消してください」と言ったシーンも、カットされてたけど世界平和を祈る彰のすぐあとに豆腐屋のおっちゃんが世界平和取り消すシーンも、全部全部好きです。

ママが飛行機事故で死んでなかった、同姓同名の別人とわかったあとに、「それでも世界のどこかには、今悲しみに暮れている家族がいるってことだよな」と言えるお父さん、それを差し込む脚本、カットしなかった決断も、本当に本当に大好きです。

 

迷いながら、苦しみも抱えながら、それでもよりよき未来を信じて進んでいけるように、大人が背中を押している、世界とはかくあるべき、と思えるこのドラマが私はすごく好きです。

 

演出が細かいなあと思って大好きです。役者さんたち、本心じゃないセリフいうときちょっと顔がゆがむんです。

シーンは過激なところが確かにありますが、まじりっけなし、うそやまやかしで甘えさせない、繊細で正直で懸命なドラマをまた地上波で見れることに幸せを感じています。

 

※原作について※

白岩玄さんのデビュー作です。

初めて読んだとき、すごいエッジの効いた人が出てきたなと思いました。

えぐすぎたんです。辻加護加護ちゃんを出してくるところとか、最後のシーンの描写とか。私は読んだとき頭の中で教室にいる修二を残して舞台が暗転、修二にだけスポットライトがあたって、天を仰ぐ彼はそのまま、画面が引いていく、という光景が頭に浮かびました。

救いのなさがえげつないんですよ。読んだあと、現実に戻ってこれたことに安堵する作品です。

個人的にはこの『野ブタ。をプロデュース』と『「り」は「め」より100倍恐ろしい』と『桐島、部活やめるってよ』と『その日、朱音は空を飛んだ』がグループひとくくりになっています。

 

あと木皿泉&河野さん作品はサイコーなのでぜひ次は「Q10」もお願いします!

 

ハローキティチャンネルのおすすめYoutube動画3本

SixTONESはいっちゃお~って言いつつ節度は守るタイプ(ジュリタナカもラジオで俺ら全然勉強してねぇとか言いつつちゃんと勉強して60点取るタイプって言ってた)だから安心して見てられるけど私はいっちゃお〜って言わないのに一人でどこまでも行ってしまうタイプなので自分が心配です。

 

だけど死なない限りは何事も経験ととらえて人生楽しもうと最近思えるようになりました。キティさんのおかげです。サンリオをなんとなく避けてきた人ほど、だまされたと思って5分間だけ時間をください。これを見て。

 


ハローキティ、YouTubeデビュー!【あらためましての自己紹介】

 

ハローキティチャンネルの初回動画です。

この5分にサンリオのすばらしさが詰まっていると思うので本当に大好きです。

仕事疲れたなあって日はこの動画ぼうっと見てるとだんだん元気になってくるし、また頑張ろうって思える。本当にキティさんすごいなと思います。

(というかほぼすべての動画を5分程度に収めるキティさんの「わかってる」感がすごい。)

 

この動画のすごいところはとにかく激熱のメッセージ

 

仕事を選ばないっていうか、むしろ全部選んでる

 

全部キティがやりたいって思ったことを全部やってきた結果が、今

 

やりたいことはぜんぶやるっていうのがキティらしさ、自分らしさ

 

事務所とかマネージャーさんとかからは「キティにはちょっと難しいんじゃない?」とか~心配されたりもしたんだけど

それで諦めちゃうのは違うと思ってて

難しいかもしれないし、うまくいかないかもしれないけど、やってみたい・・・!

それができない、やらないのはキティじゃない!

やっぱりやったことないことをやるっていうのはちょっとこわいっていうのはキティもわかるのね

でもあの、やってみなきゃわからないことってあるじゃない、キティはそれを全部やってみたくて・・・

 

 

ちょっと待ってだめ、泣けてきた尊すぎない??菩薩?天使なの??

素晴らしすぎませんか?やりたいことはぜんぶやるんです、こういう、自分にポジティブを言い聞かせる強さを私はもって生きていきたい。難しいかもしれないけど、自分らしく生きていくのが一番いいってメッセージを発してくれるキティさん強い一生ついていくって思った動画です。本当にこの人生哲学素晴らしいと思う。

 

それからこれも。


自己紹介動画に「コメント返し」するよ!【ハローキティのコメント返し Vol.1】

 

キティさん初めてのコメント返し。これも本当にあえてマイナスな意見にも返してて、返し方がクレバーでめちゃくちゃ見習いたい。

これを見てから仕事で「こいつは人の心がないのか?」と思うような言葉を言われてもうまく取り入れることができるようになりました。

 

「声が違くて嫌だなと思う」

そうだねあの声はやっぱりまだ本調子じゃないんだけど、いつものベストコンディションの時のキティの声も覚えてくれてるんだなっていうの、キティすごい嬉しくてもしかしてピューロとかで会ったことあるのかな、とか想像したりしてあの、だから、いつもありがとう。キティももっと頑張るね!好き!

すごくない?この切り返し。天才かよ。ちなみにハローキティチャンネルのキティさんの声はピューロのキティさんの声とは違ってかなり機械的です。

 


2019の締めくくり 歳末大感謝コメ返祭り!【ハローキティのコメント返しVol.6】

 

そしてこのコメント返信はひたすらキティさんのポジティヴ寄り添いワードがさく裂するから元気がないときにめちゃくちゃ見ています。

 

間違いは(成功の)ふるさと

 

好きな気持ちに年齢は関係ない、とはいえ年齢を気にしちゃう気持ちわかる

でも人生長い目で見れば今が常に一番若い!

 

最初はぜんぶ自分でやろうって思ってけど、無理だった。でもそれを認めたらすっごいラクハローキティチャンネルは皆のやさしさでできております。

 

自分の好きを貫くかっこよさは、キティ、タイニーチャムくんから教わった。

 

もしね、今の時点ではね、ちょっと点数低いなって思ってたとしても~からの最後のお言葉がもう本当に素晴らしいなと思うので最後までみてください。

 

これでキティさんに波長があった人はこれも見てください。ピューロランドでやってるパレードの動画です。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休園が決定した際、チャンネルにあげられました。サンリオ愛してる。

 


大人気パレード・ミラギフを特別席からお見せしちゃう!【ハローキティチャンネル緊急企画④ ミラクルギフトパレード】

 

音楽ヒャダイン、衣装は原宿の神様、ダンスはperfumeの振付師。最強の布陣で臨むkawaiiワールドなのでどうか見てほしい。

 

簡単にパレードの内容を書いておきます。

舞台中央にそびえたつのは知恵の木。いちご王国の王様がくれた種が育ったもので、ピューロの皆の3つのハート「かわいい」「思いやり」「仲良く」*1が集まって大きく育ったとても大切なピューロの象徴です。

 

いちご王国の王様はいつでもスリーハーツ(3つのハートのこと)を大切にしようね、とキティさんたちに教えてくれました。

その教えを守り、ピューロの皆で幸せに暮らしていたところに、三つ子の闇の女王と仲間たちがやってきます。

「昼間が嫌い、光が嫌い、笑顔が嫌い」

最高かよ。本当にかっこいいんです。というか共感しかない、私も昼間が嫌いだし光はまぶしいし笑顔に囲まれると怖い。これ歌もすばらしいんです。「3人だけで生きてきた」とかいちいち歌詞がぶっささる。

 

それでなんやかんやあって闇の女王たちは知恵の木の光を奪うんです。

ピューロの皆が大事にしていたものを台無しにする女王たちにダニエルくんは激おこ。

ひどすぎる・・・。闇の女王を倒すんだ!

 

そこからのキティさんがサイコーすぎるんです。

 

待って!倒すなんてやめて!

 

誰だって暗い気持ちになることがある!光を見たくないときも!*2

思い出して、皆!いちごの王様は教えてくれたわ。

優しさと思いやりの心があればどんなときも、誰とでも仲良く助け合って生きていけるって。

 

だから、闇の女王とも仲良くなれるって、信じたいの。

からの流れが本当に心洗われます。私もスリーハーツを大切に生きていこうと思えます。サンリオに生かされてる。本当にありがとう。

 

ピューロ再開したらかわいい歌舞伎も見に行くね。(この話も大概哲学的ですばらしいから見てほしい)

 

あと、どんな動画もある程度5分におさめるキティチャンネルだけど、好きなものについて語るときは5分をオーバーしてるの本当に好き。


大好きな詩人さんについて語っちゃうよ!【ハローキティの好きなもの Vol.2】

 

自分の好きなものについて書いてると本当に元気になる。

ピューロ休園してからキティさん更新速度めちゃはやだからそういうところも寄り添ってくれてて本当にすき。サンリオ一生ついてくっておもいます。

ちなみに社長のプロフェッショナル仕事の流儀は新幹線で見るとボロ泣ける内容だからNHKオンデマンドで購入して見てください。

 

ちなみに推しはキキララです。

 

 

 

*1:※テストにでます

*2:※パブリックイメージ陽キャ代表のキティさんがこれを言うのがサンリオの強さだと思う

私のイマジナリーフレンド松村北斗くん爆誕 ~そして勝手に好きそうな本を勧める~

 

なんだか最近急に言葉が粗暴になってきてやばいなと思っています。

具体的には心のなかですぐクソとか言っちゃうし、「ハァ???ばかなの?」と話しながら何度もケンカふっかけに行く想像をしてしまいます、仕事中。しっかりしろ社会人、と思いますしそんな自分があまり好きではありません。当たり散らして周りによくない雰囲気感じ取らせたくないからです。かっこつけ。

 

だけどこの前、この世はクソクソのクソって思いながら夜道を歩いていたらだんだん元気が沸いてきて、高校時代を思い出して懐かしくなりました。そういえば私本来、怒りをエネルギーにするタイプの人間でした。それを取り繕って丁寧な言葉にするんだけどお育ちの悪さがすけて見えるタイプの人間でした。ごまかしきれない戦闘民族YJの血が自分にも流れているのだと気付けて嬉しかったです。

 

そんなことは置いておいて、気づいたら自分のマイブームになっていたことがもう1つあります。イマジナリーフレンド松村北斗くんに好きな本の話を脳内でずっとすることです。穏やかな気持ちになれる。たのしい。

 

なんか相手の反応を気にしながら話すことに疲れました。その点この度爆誕したイマジナリーフレンド松村くんは何も言わずただそこ(脳内)にいるだけなのでマジラク。なのに全部受け止めてくれる、神かよ、知ってた。

 

なんか本屋さんで買いだめしたかったのに出勤&残業&連続勤務のフルコンボがそれを阻んで好きな本屋さんは休業期間へ突入、果たして本当に戻ってきてくれるのか、置いてけぼりにされそうな寂しさを抱えるとともに、

 

凪良ゆうさんの『流浪の月』が紀伊国屋新宿本店で平積みされたり、有楽町の三省堂書店でタワー積みされたり、町の本屋さんの入り口にツルツルの広告紙裏に赤筆で「本屋大賞入荷しました」って貼り紙されたりする光景を見て回ること、本当に楽しみにしてたし、

それにかこつけて本屋めぐりもしたかった。コクーンタワーの本屋さんが恋しい。しんどい。仕事しんどい・・・。

 

と、いろいろな気持ちが溢れて止まらなくなってしまい、その結果イマジナリーフレンド松村くんが爆誕しました(どんな結果?)

 

なにはともあれ、ブログに感情を記録することにしたので(2月以来だけどこのブログ開くの)、静岡公演も行けなくなりましたので、脳内松村くんに勝手におすすめした本を記録しておきます。

 

①前提として

 

松村北斗くんの読書傾向はwikiから引っ張ってきたこれ、ということにします。

 

愛読書は、森沢明夫著『虹の岬の喫茶店[92]湊かなえ著『往復書簡[90]西川美和著『永い言い訳[93]西加奈子著『きりこについて』[50]の他、恩田陸[94]原田マハ[94]東野圭吾[94]村上春樹[95]伊坂幸太郎[95]などの作品を読む。

 

当たり前すぎて言うの忘れてましたがイマジナリーフレンド松村くんは架空の人物でご本人の趣味嗜好は私なにも知りません。でもアイドルに人生支えられてます本当にありがとうと思っています。

 

②たぶんもう読んでるよね?の本

 

西加奈子著『おまじない』

 

おまじない (単行本)

おまじない (単行本)

  • 作者:西 加奈子
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 大人になって、大丈夫なふりをしていても、
ちゃんと自分の人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんある――。
それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。
悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す、キラメキの8編

 

『炎上する君』ではなく『きりこについて』を挙げる松村くんなので『きいろいゾウ』も読んでいるのではないだろうか。からの、『おまじない』読んでほしい!論。

(たぶん私、勉強するつもりで行った図書館で『炎上する君』読んでたんですけど、あの光がきれいに差し込む明るい図書館はどこだったっけ、市ヶ谷だった気もするが違う気もする。なんにせよ図書館にも行けない今がしんどい。図書館いきたい。※とにかく本に囲まれた過ぎてやばいです)

 

『おまじない』は短編集なので隙間時間に読めるし、様々な年代の女性が袋小路*1に追い込まれそうになったときに善良なおっちゃんたちにポン、と優しく背中を押される話です。特に最初の話がいい。とにかくね、おっちゃんがなんでも焼却炉で燃やしてくれるのよ、本当に元気でる。

 

③そんでもってついでにこれも読んでほしい

 

『おまじない』を読んだら、『きりこについて』にちょっと雰囲気似てる(と私が勝手に思ってる)、中田永一著『百瀬、こっちを向いて。』の「小梅が通る」を読んでほしい。(自己肯定感激低の女の子が見た目ではなく内面を好きって言われて一歩踏み出そうと頑張れる甘酸っぱい話)中田永一さん好きだなあと思ったらそのまま『吉祥寺の朝日奈くん』の「三角形はこわさないでおく」が私すごく学ランの松村くんに合うと思うから読んでほしい。あと『くちびるに歌を』は西畑大吾くんと作風が一致するから読んでほしい。

 

かわいそうだね?

かわいそうだね?

 

 

あと、女の子の容姿が遠からずテーマになってるものとしては綿矢りさ著『かわいそうだね?』もほんとお勧めだけど松村くんきっとあんまり好きじゃないだろうなあと思う。サラッとよりはねっとりなので。

『きりこについて』の雰囲気にやっぱり似てるかもと思うのが辻村深月著『ぼくのメジャースプーン』だからちょっと時間ができたときに読んでほしいなあと思う。個人的には辻村さんはこれより『凍りのくじら』が好きだけど、小さい男の子が地球よりでっかい勇気をもって大切な人を救うヒーローになりに行く話松村くん好きそう。

 

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

  • 作者:辻村 深月
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

森沢明夫著『虹の岬の喫茶店』が好きなら

小路幸也著『ダウンタウン』も好きな気がするけどどうでしょう。

 

DOWN TOWN/ダウン タウン

DOWN TOWN/ダウン タウン

  • 作者:小路 幸也
  • 発売日: 2010/02/19
  • メディア: 単行本
 

 

大人になるってことを、僕はこの喫茶店で学んだんだ……70年代後半、高校生の僕と年上の女性ばかりが集う小さな喫茶店「ぶろっく」で繰り広げられた、「未来」という言葉が素直に信じられた時代の物語。

 

 

ほっこりした雰囲気きっと好きな気がする。あるいは木皿泉著『昨夜のカレー、明日のパン』も読んだかなあ・・・。木皿さんのシナリオブックとかも好きな気がする。すごい河出書房新社の回し者っぽいけど。 

 

 

伊坂幸太郎さんはどの伊坂さんが好きですか??

恩田さん、東出さん、湊さんのお名前と同じように出てくるってことは松村くんきっとミステリー好きなんだろうなあ。謎解きよりは疾走感とかどんでん返しとか好きそう、そして森博嗣さんや舞城さんが出てこないということはシリーズものより単独本をお好みになるのかしら、と思ったりします。ということは伊坂さんもギャングより死神より『モダンタイムス』か?『アヒルと鴨のコインロッカー』や『重力ピエロ』よりも?ていうか『フーガはユーガ』読みました?私はこれ『あるキング』ぶりの意欲作だと思ったのですがどうですか。

あ、でもいつの時代の恩田さん湊さんが好きなのかによるのかこれも。最近のお二人は根本のテーマ(お二人とも転機に立たされたときの女性の情動、的なものの描き方がたまらなくすきです私は)変わらず、舞台設定をずらしてきてるから近年。あんまり人が死なないし、凄惨な描写で殺されたりいなくなったりしないし、転機が人の死とは限らなくなってる。

 

なので話は戻りますがどの伊坂さんが好きですか?私は勝手に、『モダンタイムス』からの『ゴールデンスランバー』あたりが好きと仮定しますね松村くん。

なのでぜひ中村文則さんの『掏摸』を読んでほしいです。そして『王国』も。やばい、本格的に河出の回し者だ・・・、でもすごいいい本だから読んでほしい。もちろん新潮社も文春も大好きです。講談社小学館集英社も大好きだよ。というか本が大好きです私は。

 

 

掏摸(スリ) (河出文庫)

掏摸(スリ) (河出文庫)

  • 作者:中村 文則
  • 発売日: 2013/04/06
  • メディア: ペーパーバック
 
王国 (河出文庫 な)

王国 (河出文庫 な)

  • 作者:中村 文則
  • 発売日: 2015/04/06
  • メディア: 文庫
 

 

中村文則さんは『教団X』で又吉さんに猛プッシュされていた日本を代表する文芸作家さんです。『土の中の子供』で芥川賞を獲っています。(私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた。というあおり文。これもめちゃいいからとにかく読んでほしい)中村さんは昨年初のエッセイ集も出版されて『自由思考』というタイトルなんですがこれもぐいぐい読ませるから本当にすごい作家さんだなと思います。

あ、それで『掏摸』なのですが、主人公はスリのプロです。

 

東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎――かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼にこう囁いた。

「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」

 運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは…。大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラー。

 

 

はちゃめちゃにかっこよくて出口がなくて息苦しくて、それでも死ねない理由があって、今日も生き延びてそれの繰り返しって感じが本当にかっこいいし読んだらなんだか救われる気持ちになります。これ松村くんよりジュリタナカが好きそうだな。

 

あとたぶんなんですけど松村くん、朝井リョウさんもはまる気がする。

私は『死にがいを求めて生きているの』が好き(この人が書く女性は「男性作家が書く女性」感がすごくてそれも私はファンタジーっぽくて好きです)ですが、

松村くんはどちらかというと『何者』とか好きかも。こういう、頭のいい人がななめから世の中切り取って抉り出してくるような話好きそう。『武道館』とかもう読んでそうだけどね。

 

武道館 (文春文庫)

武道館 (文春文庫)

 

 

 

あとぜったい松村くん好きじゃなさそうなのわかってるんだけどこれは日本の宝だと思うから上橋菜穂子さんの『闇の守り人』読んでほしいんだよなあ。これ読むには『精霊の守り人』から読んでほしいのであらすじ置いときますね。

 

 

闇の守り人 (新潮文庫)

闇の守り人 (新潮文庫)

 

 

女用心棒バルサは、偶然新ヨゴ皇国第二皇子チャグムを助けたことをきっかけに二の妃から息子の護衛を頼まれてしまう。 精霊の卵をその身に宿した息子を疎ましく思った父帝の放った刺客や、異界の魔物からチャグムを守るためにバルサは体を張って戦い続ける。

 

 

という、ダブル主人公もののファンタジーなのですが、自分の宿命と逃げずに向き合うことを決めるチャグム皇太子殿下が本当にかっこいいし、私は小学校のころから将来はバルサみたいなかっこいい女になると思って生きてきました。まだ道半ばです。バルサには永遠に到達できないかもしれない。

 

あともうここまでくると脳内松村くんは去って行ってしまい(きっとファンタジーに興味ない)、なので私は架空のファンタジー大好き読書人に向かって話すことにするのですが、

 

上橋菜穂子さん読んだら、荻原規子さんの勾玉シリーズに舞い戻るよね?そのあと小野不由美さんの十二国記シリーズ読んで、そして未来の旗手、阿部智里さんの八咫烏シリーズ読むよね????ファンタジー小説最高か???

 

 

やばい、お蔭さまでものすごく元気になりました。明日も仕事頑張ります。

イマジナリーフレンド松村くん、ありがとうございました。

 

あと取次つかって本屋さんから買えるシステムもあるのでよかったら使ってください。

https://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top

 

 

*1:※ちなみに私個人的には『袋小路の男』も非常に好きです。わたしとあなたしかいない世界ってすごいよね。自分本位感が。それを突き放すように表題作の次に三人称の話もってくるところがサイコーにしびれる。

2020年、SixTONESがとても気になる。

今年に入ってなぜだか心身ともに調子が良く、ものごとを考える余裕が出てきました。

何年か目をそらしてきた感情にもラベリングができるようになりました。
(※HiHi Jetsのこととか。昨日Twitterでいろいろ書いてしまいました。)

そうしたところ、どうやら私はこの数年間しんどかったようだということがわかってきた(取引先の人とご飯に行ったら「あの時は言えなかったけどかずささんちょっと大丈夫かなって思ってましたよ」とこの前言われた。「最近は元気そうで安心してます」とも。)のですが、しんどい気持ちを記録していないが故に当時の記憶があいまいすぎて今困っています。

たぶん、ブログにでも書いていたら当時の感情や行動を俯瞰できていたはずなので、もう少しはやく「私は最近普通じゃないぞ?」とブレーキを踏めていたのではないかと思います。
このブログはもともと、なんとなく苦しい中でもちょっとだけ元気だった頃に匿名で書き散らしていたもので、汚い暴言が目立ちます。
やはり当時の私はだいぶ駄目そうな社会人でした。なんでこんなに辛そうで、世の中全員敵って感じだったんだろうなあと思いますが、気持ちを文章にする習慣もなかったので当時の気持ちは知るよしもありません。

というわけなので(どんなわけだろう。)、今年はためしに飽きるまで、自分の気持ちは記録しておこうと思うわけです。
そして自戒の意味と、私という存在を固定化するために匿名ではないブログを書いておこうと思います。


お題「今、とてもSixTONESが気になる」

なんで?と思われるでしょうが。
実際友人たちには「なんで今?どこから?」と言われました。なぜなら彼女たちは私がSixTONESのメンバーを下手したら入所時から認識していると知っているからです。にも関わらず、今まで1度も話題に出したことがなかったからです。

自分でもわかりません。
だけどYouTube全部見直して(今までだって別に流し見はしてた)、RIDEONTIMEエンドレスループして、

ステファン買っちゃったんだもの。



なぜ気になるのか、ノートに書き出してみました。

・好きだからやめたくないけど、ざるを得ないのかなって
・デビューしなくてもいい。6人が6人でいられないなら。
関ジャニ∞育ち。KAT-TUNに憧れ
・ジャニーズを俯瞰して見れる。10年以上やってきた重みがある
・お前ら声出せねぇなら命はねぇからな!?。田中家。森本家。京本家。
・赤西くんに憧れ。(山田涼介ではない)
・ずっとこの6人で笑ってバカやってたい
・あいつらまたやったよ、いい加減にしてくれって外野は思ってた
・くらーい北斗くん。バカレア。ジャニーズJr.の真実。いきがってる。
・つらい体験はしたくないから目を背けてきたけどこの人たちは過去も全部肯定して「だから今がある」と言ってくれる

断片的な単語が並んだので、それを文章にしていこうと思います。





たぶん、気になって仕方ない理由は彼らがYJ育ちだからだと思うのです。


私の担当である林蓮音くんはHey!Say!JUMPの知念くんを神とあがめてもう10年以上経つと思います。そして5年前までくらいのJr.はほとんど皆、山田涼介に憧れていました。努力の天才、仕事人、思春期の男の子がアイドル業を完璧にやり遂げるかっこよさ。


そんななか、


おそらく京本くんたちは06年あたりのKAT-TUNを、04年あるいは05年くらいの赤西仁を直接目の当たりにする機会があり、彼らのギラギラ感に憧れた最後の世代なのではないでしょうか?(違ったらごめん。)


私は内博貴生まれ関ジャニ∞育ち、KAT-TUNに憧れたジャニオタです。


根底には関ジャニ∞の泥臭さ(「遅咲きは最強」「関ジャニ∞を辞めるときは俺がこの世界を辞めるとき」「ONE」・・・「過去の選択を正解にする」という彼らの強引さ、とにかく最後まで立ってた方の勝ち!という姿勢に私は何度も勇気づけられました。)、そして圧倒的に強いオラオラ系のKAT-TUNさんへの憧れを有しています。




SixTONESのライブパフォーマンスにはそこはかとないKAT-TUNみを感じるのでいやがおうにも惹かれるのだと感じます。ここで特効が欲しい、というときを絶対外さない、さすが事務所10年選手強い、信頼できる、すき。お前ら声出せねぇなら命はねぇからな!?って言いそうなのに、言ったとしてもひたすら誠実さが透けて見えるのすき。


※同じ理由でHiHi Jetsのコンサートも、絶対楽しいだろうなあと思っています。なにせ橋本涼さんと井上瑞稀さんがいらっしゃるので。大ベテランなので。へんなしがらみを自分のなかで取っ払えたら、いってみたいなあ。


(たぶん私は、HiHi Jet(歌)をバックで歌う蓮音くんを見れなかったというか、蓮音くんの気持ちとかまったく関係なく、HiHi結成を受け入れられなかったのだと思います。15年頃に感じていたしんどさはおそらくこれ。)


でも、SixTONESのマインドは非常に関ジャニ∞寄りな気がしていてそこもすきです。


正直、バカレアのときは「この子たちこの先しんどいだろうなあ」と思っていました。デビューには今ひとつ勢いが足りないのに、Jr.のトップ不在で祭り上げられた感がすごかった(ananもありましたよね。とにかく大人が売りたい、大人に振り回されてる感がすごかった)からです。


そこから数年、京本くんのエリザベートも友だちがチケットを取ってくれて見に行けたりして、最終日オールバックのSixTONESやひたすらデカイ声出すSixTONESの女たち強いな、楽しそうだなと思ってました。


けど、毎年冬の帝劇でふざける集団、という印象が(それが事実無根だとしても)強すぎて「あいつらまたやってるよ、履き違えた青春もいい加減にしてくれ、くすぶるなら勝手にやって、他を巻き込まないで欲しい」と思っていました。でもガムシャラもみてましたし、樹くんがかなりクレバーというか、繊細に人の気持ちを感じ取って全体を良い方向にもっていくのが上手というか、チームでやることの大切さを知っている、ジャニーズアイドルとしてとても信頼のおける人だということはわかっていたつもりでした。




でも、デビューはできないだろうしこの人たち今後どうするんだろう、と物悲しさを感じながら対岸から眺めていました(超失礼)




デビューできないってなんで思ってたかというとこれは感覚の話でしかないんですけどジャニーズ事務所のデビューではないなと思ってたからです。そこからのYouTube、らぶの一斉退所、なんかもう事務所の決定に振り回されてる悲哀漂う感じがすごくてJr.って絶望しかないの?と思った記憶があります。




だけど実際YouTube見てみたらすごく楽しかった。


ジャニーズをデジタルに放って外部から仕事を持ってくるの本当にすごいしかっこいい。からの数字を叩き出して伝説を積み上げてデビューまでもぎ取るのすごく週刊少年マガジンだと思います。


(※友情、努力、勝利な少年漫画の王道、週刊少年ジャンプではない。)


それで、デビューに際して


・この先SixTONESSixTONESらしくいられない時がきたら全力で戦う


・これが最後と思ってSixTONESをやってる


・6人でいれるのが幸せ


以上3点のことを、言葉は違えどほぼ全員が口にしている状況(つまりは彼らの積み重ねてきた関係性と歴史)に強い魅力を感じます。


この人たちは、自分がアイドルであること(商品であること)を自覚しているし、市場に出るとプロジェクト責任者の意向によってコンセプトも変わることがあるーーーー違うか、歪められることがある、と経験しているのだと感じさせられます。言葉の重みが違う。


ずっとこのメンバーでバカやって笑ってたい、は関ジャニ∞が常々話している言葉です。


人それぞれだと思いますが私は「永遠なんてないよと牽制してもいい けど僕はね 光ってみたいんだ たとえ一瞬だけでも」育ちのジャニオタなので、SixTONESが「ずっと6人でバカやって笑ってたい」と言うと儚くて切なくて泣けてきます。


ずっとも絶対もないって学んでしまったからです。


だからSixTONESが楽しそうにしてるのを見ると、いつかの未来を想像して苦しくなるし、6人で笑っている今が尊くて美しくて泣きたくなってしまいます。




ジェシーRIDE ON TIMEでB.I.に言及する北斗くんたちに「今でよかったんじゃない。あれがあったから今がある、幸せ。嬉しい」というようなこと(言葉は全然違うからFODで原本見て欲しい)を言ってたんですが、あのシーンで「この人は得難い人材だなあ」と感心しました。ぽつぽつと言葉を繰り出して、でもその言葉ひとつひとつが包み込むような優しさを有していて。この人後輩指導も上手なんじゃないかなあ。このシーンの「嬉しい」で私はSixTONESが大好きになったのだと思います、たぶん。


6人それぞれの人生でいろいろあったことを知っていて、忘れたい過去も、なかったことにしたい思いも全部否定せず、だから今があるんだよ、幸せだねと肯定できる強さがまぶしくて最高にかっこいいですね、SixTONES


あと忘れちゃいけないのは「好きだから事務所を辞めたくなかったけど、(辞め)ざるを得ないのかな」というような松村さんの言葉の「好きだから」という部分です。


この人たちは私が大好きなもの(YJも含めたアイドル事務所ジャニーズ)を同じように摂取してきて、そしてそれを好きだと言っている!という同志を見つけたかのような嬉しさ。中の人が好きだという事務所、仕事は外野から見ても非常に魅力的に見えます。私はトンチキなところもあるジャニーズ事務所が大好きなので。いろいろ言われてもジャニーズブランド大好きマンなので。


というわけで私は過去があるから今がある、と胸を張る2020年のSixTONESがとても気になりますし、


プロ意識を伝染させるというか、芯のある人(なのに厨二病闇属性)な京本くんと


なんでも肯定して前に進ませてくれるジェシー


バランサーの樹くんと


樹くんのメンターなこうちくんと(どうでもいいけど私は昔聞いたこうちくんのファンサ事情がものすごく健全な一般男子でこの子すごい好きだなあと思った記憶があります)


気遣い屋さんだけど空回るしんたろうくんと(この人が読書趣味にし始めたら=言葉を武器にし始めたらすごいグループになると思う)


錦戸くんと大倉くんのハイブリッドのような松村くん(こんな言い方してごめんなさい。でも松村くん将来絶対演出やってって思ってる)


の6人がこれからどうなっていくのか、彼らの旅路に興味津々で、こんなふうにアイドルを追いたいと思うのは久しぶりなので、現状を素直に楽しんでみようかなと思っています。


デビューおめでとうございます。


これからも6人でずっと、笑っていてください。


若手俳優オタの人ってステマしないの?

私がジャニオタ兼務のクソヤロウなので、はてブロもジャニーズと若手俳優の両方を徘徊するんですが、

若手俳優オタの方々って排他的ですよね!?知らんけど!

なんていうか「浮所くんという超絶プリティーなミラクルボーイがいて…!」とか「朝ドラ出たのにデビューしてない関西ジャニーズJr.の~」とかはてブロの面白い人たちからジャニーズの情報を得ることが多いし、ジャニオタって大体担当くんのことステマするので、なんなら「私が担当くんの広告塔です!」ばりの宣伝するので、若手俳優界隈との落差に驚きます。

まず推しのこと明言しない!

そして同厨のことめっちゃ気にする!

私もだけど!

なぜこの差が生まれるかって、推しくんや担当くんとオタとの接触があるかないか、の違いな気がするんですよ…。

あとは、「本当は売れてほしくない」っていう気持ちの強さとか

あるいは「推しくんや担当くんの目指すゴールが明確かそうでないか」の違いとか

①公的な接触の有無

ステマブログ主「Bさん」と現場に来る「Aさん」が推しくんの頭のなかで同一人物だとわかる可能性のある俳優厨

VS

ステマブログ主「Bさん」と現場ガッツ「Aさん」が担当くんの頭のなかでイコールになりにくいジャニオタ

なのかなあ。

ジャニオタっていろんな種類があって、そのなかでも俳優厨に近いのはジャニーズJr.のファンだと思うんですけど

(理由:ファンの少なさ)

若手俳優の現場って、大体いつも同じ人いるなー、喋ったことないけど、ツイッターのアカウントも把握してるよーみたいな雰囲気ですよね?

私も推しくんの現場いくと「あのブスはツイッターあのアイコンで、あの高校生は●●高校」とか思いながらどんどんツイッターの非公開リストに入れていくのが面白いんですが、なんだろう、これは「出待ち(=非公式の接触現場)するオタクが10人くらいはいるジャニーズJr.」の現場の雰囲気に似ています

お互い話す程でもないけど、存在は認知してるしマウント取り合う環境もある、みたいな

(※出待ちいつもするメンバーが5人以下だったら形だけでもわいわいキャッキャするので、雰囲気は明るい)

こんな環境で仮に推しくんのステマブログを書いたら確実に本人特定されるし、推しくん本人もたぶん本人特定するし、今後の接触イベントやりにくいったらないね!?

一方で、ステマブログをガンガン書くジャニオタは、

▼ファンが100人以上いて個人特定が難しいジャニーズJr.が担当

▼出待ちしないから、たとえガッツだったとしても外見情報しか周囲に与えないJr.担

以上2つのうちのどちらかです多分

ジャニオタは接触イベントに参加するのが強制ではない(だって非公式!)ので、よほどのヘマしない限り個人特定される心配もなく、ガンガンステマできるんですね!

誰か担当くんと推しくんのステマ記事書いて!二人とも有名になって!

②「本当は売れてほしくない」気持ちの強さ

だって売れると可愛くて綺麗な女子という生き物が現場に来るようになるんだもん~!!!!!エステ美容院メイクとジェルネイルでは太刀打ちできない天然美人が来るようになるんだもん~!!勝てないもん~!!美味しい思いできなくなるもん~!!美人は美人の世界に帰ってどうぞ!

という気持ちになってしまいませんか?

私はなります!

可愛くなりたい~!!現場に行って「ブスばっか!」って思い続けられるオタクでいたい~!!

ジャニオタは結構高い確率で「早く売れて!」って思ってると思う!

だってジャニーズJr.という肩書き、夢のスタートラインにすら立ってないからな!?

若手俳優はさー、一応、俳優として生活するという夢は叶って、その夢をさらに大きいものにするために頑張ってる人たちじゃないですかー?

ジャニーズJr.って存在自体が曖昧すぎるからはやくデビューしろって思って止まない

③本人たちの目指すゴールが明確かそうでないか

ジャニーズJr.は一応、「CDデビュー」が明確な一つのゴールです。

「デビュー組のバックダンサー」→「ジャニーズJr.内ユニット結成」→「シンメ固定」→「デビュー」

のように、ある程度ルートも明確です。

そして、次のステップへ移行する条件も明確。

人気が出れば出るほどデビューに近づく仕組みです

だから、「オタクがステマブログ」を書いて、「デビュー組のオタク(金を出してくれる)」に「Jr.の存在を知ってもらうこと」が彼らのデビューを後押しするのにとても有効です。

担当くんのためになる、ということが確実なのでJr.担はステマブログを書くのです

若手俳優は、ゴール明確じゃないですよね。それにひとつじゃない。

帝劇俳優になりたいのか、テレビ俳優になりたいのか、小劇場でやりたいのか、推しくんによって、設定するゴールは違うと思います

それにともない、推しくんのゴールまでの道のりも、明確ではありません

ただひとつあるのは、「お仕事が続くのはおおむね良いこと」という概念

この場合、「不特定多数」あるいは「他厨」あるいは「他分野オタク」に向けてステマブログを書くことは、有効な手段ではありません。

それよりも、「劇場で」「関係者各位に向けて」「熱い感想を書き」「推しくんのファンだと主張すること」の方が断然有効な手段だと思います

書いててすっきりしましたが、

①個人特定されて現場に行きづらくなる

②有名になってほしくない気持ちも少しある

③ファンの数を増やすことが推しくんの夢の後押しになるという確信がない

以上の理由から、俳優厨にとって、推しくんのステマブログを書くのは好ましいことではなく、「俳優厨が推しくんのためにできること」の有効手段は別にあり、具体的には、「主戦場は劇場アンケートにあるのだ!」ということがわかりました!

本当にありがとうございました!

あ~!!すっきりした!!!